NTTドコモが発表した新しいプランに興味を惹かれました。
それは月額980円というタイトルだったからです。
- 980円のドコモ新「シンプルプラン」は強烈な格安スマホ潰しだ | BUSINESS INSIDER JAPAN
- 通話はLINEで済ます?ならこれ。ドコモが月980円「シンプルプラン」発表、家族間通話のみタダ - Engadget 日本版
しかし、ドコモがそんな格安なプランを出すはずがないという思いもありました。
そして、ドコモの発表内容やそれを取材した記事を読んでみるとやっぱりなという思いに至りました。
それはデータ通信を使う限り月額980円では決して利用できないということ。
まるで昨今話題のフェイクニュースのように感じました。
NTTドコモのシンプルプランとは
そもそもNTTドコモのシンプルプランとはどんな料金プランなのでしょか?
参考
ざっくり言うと家族向けのプランといえます
それはなぜかというと、シェアパックというデータ通信用のオプションプランへの加入が必須となっているからです。
そしてシェアパックというオプションプランがシンプルプランを語るうえで重要なキーワードとなっています。
シェアパックとは
それではシェアパックとはなんぞやということになります。
これは一定のデータ容量を複数人で融通して利用できるというオプションです。
一番費用が安いシェアパック5というプランは月々5GBのデータ容量を家族間などで分けて利用することができます。
例えば、夫婦子なしの世帯ならばそれぞれ3GB,2GBずつ使うという使い方ができます。
3人家族ならば夫が2GBで奥さんが1GBで子供が2GBという使い方なんかが想定されます。
因みに一番安いシェアパック5で月々6500円もかかるので、この時点で月々980円で利用できないことが分かりますが、各メディアに登場する記事のタイトルを見ると如何にも980円で利用できるような誤解を招いているといえます。
MVNOの格安SIMと比べてお得なのか?
結局のところ私達が知りたいのは今回のシンプルプランが、MVNOが提供する格安SIMに比べてお得なのかどうかということではないでしょうか?
ここでは、NTTドコモのプレスリリースで紹介されている夫婦と子供1人のケースを例に比較していきたいと思います。
まず、このドコモのプレスリリースに乗っている絵で注意しなければならないのが、主回線がドコモを15年以上利用しているため"ずっとドコモ割"が適用されて月々800円割引されているのと、子供が25歳以下で"U25応援割"でデータ容量が月々+1GBされている点です。
こういった割引やデータ容量が増える構成で3人だと1人あたり平均で月々のデータ容量が2GBで3500円となります。
逆に割引やデータ容量の追加がないケースでは、1人あたり平均で3780円(1.6GB)となります。
これに対してMVNO各社の格安SIMを利用した場合はどうでしょうか?
MVNO各社は月々のパケットデータ容量毎のプランを提供していて、大体どこでも提供しているのが3GBプランです。
音声通話SIMでパケットデータ容量が月々3GBの格安SIMを利用した場合、月々の固定費は約1600円~1800円となっています。
3人で利用した場合、先程のドコモのシングルプランでは合計1万円を超えますが、格安SIMを利用すれば、合計約5000円と半分以下で済みます。
すなわち、UQモバイルをはじめとした格安SIMを利用すると1年間で約6万円も節約できるわけです。
ただ、ここでは音声通話の料金が加味されていません。
ドコモのシングルプランでは家族間での音声通話は無料となっていて、家族以外への通話では30秒あたり20円の通話料金が発生します。
これに対して格安SIMを利用した場合、ワイモバイル以外は基本的には家族間であっても通話料が発生します。
しかし、今回のシンプルプラン発表の場においてドコモの社長が言っているように、昨今家族間でのコミュニケーションツールとしてはLINEを利用することが多いです。
LINEを使った音声通話の通話料は無料です。
LINEで通話やチャットを行った場合、インターネット回線を使うのでパケットが消費されますが、これも格安SIMのLINEモバイルを利用すればパケットは消費しないで済んでしまうので、データ消費を気にせずLINEを利用することが出来ます。
LINEモバイルを半年間使った感想。満足した点と不満な点を挙げてみた
狙いはワイモバイルへの流出防止か
ここまで見てくると、今回ドコモが発表したシンプルプランの狙いはワイモバイルのように感じます。
そう感じるのは、ワイモバイルが提供している最安のスマホプランSが月々のパケットデータ容量が2GBで月々約3000円と先ほど紹介したプレスリリースにかかれているユースケースに近いからです。
ワイモバイルとドコモのシンプルプランを比較すると、単身者はワイモバイルの方がお得で、家族3人などで使うならばシンプルプランの利用も検討にあたいするといったところ。
ワイモバイルの場合、家族割引(子回線が毎月500円割引)を受けても家族間での通話は無料にはなりません。
しかし、家族関係なくだれとでも音声通話が一回あたり10分まで回数関係なく無料で利用できるというメリットもあります。
まとめ
NTTドコモが発表したシンプルプラン。
あまり音声通話をしない家族で、どうしてもドコモを利用したい方にとってはこれまでよりも安くなります。
しかし、月額980円という言葉だけがメディアによって印象づけられている点には注意が必要です。
キャリアのメールアドレスにこだわる必要がなく、家族間のコミュニケーションがLINEであるならば、途中で紹介したLINEモバイルなどの格安SIMを利用する方が年間で6万円以上もの節約に繋がります。
2019.8.5 追記
980円で利用できると宣伝されていたドコモのシンプルプランは終了となりました。
新しい料金プランは下記からご確認ください。
参考